選考結果

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第46回 2025-2026 デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー

2025-2026 デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー

フォルクスワーゲン ID.Buzz

フォルクスワーゲン グループ ジャパン株式会社

青山 尚暉

ブランド モデル
フォルクスワーゲン ID.Buzz 10
プジョー 3008 4
スバル フォレスター 2

ID.Buzzの大きなVWエンブレムを鼻先に付けた、ワーゲンバスの大きな特徴でもあった2トーンカラーを用意するtype2のヘリテージを継承したエクステリアデザインは、大柄なボディにして懐かしさと可愛さ溢れるもの。ファッションとしてID.Buzzを選ぶ人も多いはず。こんなクルマが自宅の駐車場に止まっていたら、生活そのものがファッショナブルになるに違いない。

クーペのエレガントさとSUVの力強さを融合させたと謳われるファストバックデザインのエクステリア、新開発されたフローティングデザインのパノラミックアイコクピットを採用する3008はインテリアともにデザイン手抜き一切なし。メーター~センターディスプレイに続くドライバーに向けてゆるやかにカーブする大型スクリーンの先進感が素晴らしく、小径ステアリング、個性的なセンターコンソールのデザイン、テキスタイル調トリムの採用と合わせ、極めて居心地のいい、しかも機能的な空間が演出されている。デザインで選んでも後悔しない1台。

デザインから開発されたという新型フォレスターの、とくにプレミアムグレードの2トーンカラーボディのデザインは、正統派SUVであるはずのフォレスターに「デザインでも選びたくなる」資質があると感じる。先代比で全長と全幅のみ15mmの拡大にとどまったパッケージデザインのスバルの良心にも共感できる。グッドデザインアワード2025受賞も納得である。

安東 弘樹

ブランド モデル
フォルクスワーゲン ID.Buzz 10
プジョー 3008 4
日産 リーフ 2

本賞の1位は迷いなくID.Buzzです。誰もを笑顔にするエクステリアデザイン。インテリアも奇をてらわず、且つオリジナリティーに溢れている表現は秀逸としか言えません。
2位のプジョー3008に関しては塊感のあるエクステリアと、ドライバーを包み込むコクピットデザインなど総じてデザインの力を感じさせてくれます。
3位のリーフはエクステリアのプロポーションと内外装の色に惹かれました。
どのクルマも愛車として、眺めたときに笑みがこぼれるのではないでしょうか。

飯田 裕子

ブランド モデル
フォルクスワーゲン ID.Buzz 10
ヒョンデ インスター 4
ホンダ N-ONE e: 2

VW ID.BAZZ
Type2のヘリテージを継承したデザインをVWのフル電動ミニバンという新たなモデルに採り入れた意味は大きい。実は最初は「こんなに大きなミニバンを個人的に好きなtype2もどきにしてしまうなんて!?」と懐疑的だった。しかしクルマの事態の出来栄え、乗るほどに豊かさを感じさせてくれるインテリアとともに、“懐かしさと未来が同居する、VWの走るアイコン”と高く評価させてただいた。Welcome to Japan!

ヒョンデ インスター
デザインはクルマ選びの重要な要素であり、そこには趣味嗜好が現れる。コンパクトなボディでパッケージングにも優れ、これほどの存在感をアピールするインスターはIONIQ5のクールさと大きく異なり、ヒョンデのデザインチームの柔軟さを思わずにはいられない。今年、個人的に試乗したモデルのなかでいつでもどこに駐車しても眺めホッコリ笑顔になったモデル。EVとして一人乗車時用の空調を切り替えを採り入れるなど細かなエネルギーマネージメント機能が選べるスイッチの配置も1ポイント。

ホンダ N-ONEe
航続距離(WLTCモード)295kmを実現させた軽電気自動車のN-ONE e:。ホンダが大事にしてきたM・M思想を活かしEV化を実現。親しみやすさに繋がる“まる”と“しかく”のデザインアイコンも特徴。またセンター(ガソリン)タンク位置にバッテリーを配置し、ボンネット下に電動パワーユニットが収まるデザイン(設計)をベースにガソリン車のN-ONEと似て非なるデザインが行われている。そのほかデザインを形成する目に見える部位にバンパーリサイクル材の採用やディスプレイレスによる異なるインテリアデザインの提案にも注目した。細かなこだわりが小さな軽EVに詰め込まれ、毎日の通勤や買い物を“特別な時間”へと変えてくれそう。

石井 昌道

ブランド モデル
プジョー 3008 10
フォルクスワーゲン ID.Buzz 4
テスラ モデルY 2

プジョー3008はフランスからしか生まれてこないであろう独創的なデザイン。包まれ感のあるインテリアはゆるやかなカーブを描く21インチパノラミックカーブドディスプレイを主として、ダッシュボード等が違う角度のカーブであるなど、見ていて飽きない。それぞれどういった意味があるのか考えるのが楽しいのだ。
ID.Buzzはエクステリアデザインが最大の特徴といった異論はないだろう。ボディカラーもカラフルなものが多くて楽しげだ。
ミニマルを追求しているテスラだが、新型モデルYはエクステリアにメーカーエンブレムさえないことに驚いた。既存の自動車メーカーではなかなか踏み込めないだろう。その突き詰める姿勢に拍手。たしかにノイズレスですっきりとしたことで、よりミニマルになった。

石川 真禧照

ブランド モデル
フォルクスワーゲン ID.Buzz 10
フィアット 600 ハイブリッド 4
ポルシェ 911 カレラ GTS 2

輸入車の新車紹介記事を書いていると、時々○○年代の○○をオマージュしました、とか、過去の名車にリスペクトを込めて、というような表現を見かける。でも国産車の記事で、デザインに関して、そのようなことを書いた記憶がほとんどない。今回のデザインカーオブザイヤーはそんな観点から選んでみた。国産車は唯一、フェアレディZが思い浮かぶぐらい。日本の自動車メーカーのデザイナーは過去のことなど気にもして無いのだろうか。当然リスペクトなんて、、。ところが輸入車は違った。ノミネートされた車の中からだけでもベスト3はすぐに選出できた。それがこの3車だ。

今井 優杏

ブランド モデル
プジョー 3008 10
アルファ ロメオ ジュニア 4
ヒョンデ インスター 2

1位:3008。ドットをグラデーションにちりばめたグラフィカルで先進的なグリルはもちろんのこと、ブランドのライオンロゴと歴史を茶目っ気たっぷりに爪痕というモチーフに換え、ライトに仕立て上げたという凝ったエクステリアに加え、ファブリックを多用してオーガニックな雰囲気をまとわせつつも、3008の魅力だったトグルスイッチを上手にパネル状に変更し、使いやすさと見た目のかっこよさをドライバー目線で作り込んだインテリアも秀逸です。価格を考えると信じられないくらい綺麗。これから出てくるBEV版と、このMHEV版の使い勝手差もほぼないのがユーザーに寄り添っているとも感じました。プジョーならではのスポーティネスが洒落感たっぷりに注ぎ込まれていて、ダントツで1位かと思います。
2位:ジュニア。ブランド初のエントリーBセグSUVに、しっかりとヘリテイジを織り込んだフロントまわり。大蛇に飲み込まれる人がセンサーになっているのもイタリアン・ジョーク⁈ ウイットに富んでいて、アルファロメオにしかできない芸当かと。スペチアーレのサベルトシートも素晴らしいデザインで、ホールド感や使い勝手以上に、買ったオーナーを毎日幸せな気分にしてくれそうなところが最高です。私だったら毎日眺めてから乗り込むと思います。
3位:インスター。日本のコンパクトハッチ(軽自動車除く)は存在感のためなのか、ジェンダーを問わない商品作りを目指しすぎなのか、カッコよく仕立てようと思うあまりにギャっとした強めなデザインが多い中、一眼で「可愛い!」と思わせる、直感的にポップでエンタメ性に溢れたデザインはさすがエンタメ大国である韓国からやってきたヒョンデ。個人的にはもっとインテリアにIONIQ5くらいの先進性を持たせてくれたら点は高かったです。

太田 哲也

ブランド モデル
ホンダ プレリュード 10
ヒョンデ インスター 4
アウディ A6 e-tron シリーズ 2

私がデザイン・カー・オブ・ザ・イヤーにプレリュードを推す最大の理由は、このクルマが単なる復刻やノスタルジーにとどまらず、「スポーツクーペという存在を、現代の価値観で再設計した」点にある。ミニバン、SUV、軽自動車が主流となった時代に、2ドアクーペをあえて投入したホンダの姿勢には、クルマに乗る意味そのものを、私たちに、そして自分たちにも、もう一度問い直す意志を感じる。

そして、このクルマのデザインの特徴は、スポーツクーペでありながらこれみよがしではなく、大上段に構えないところだ。造形を誇張せず、自然体のプロポーションで美しさを表現する。その控えめさが、むしろ存在感につながっている。

低く水平に伸びるボンネット、静かな張りのあるフェンダー、後方へ視線を導く伸びやかなルーフライン。どれも奇抜さを狙っていないのに、ハイブリッドパワートレーンと調和する“静かで上質な緊張感”が、現代のクーペらしさを形づくっている。

インテリアも同じ哲学でまとめられており、派手な演出はないが、運転姿勢の収まりの良さや情報の整理されたメーターなど、「運転を心地よくする」デザインが重ねられている。日常にすっと溶け込みながら、そっと気分を押し上げてくれる空気がある。

大谷 達也

ブランド モデル
フォルクスワーゲン ID.Buzz 10
ホンダ プレリュード 4
日産 リーフ 2

「いいデザイン」の定義は様々だろうが、今回はモデルのコンセプトに忠実であるかという点と、デザイナーが心を込めてていねいに仕上げたことが伝わってくるかどうかを重視して上位3台を選んだ。なかでもID.Buzzはとにかく乗る人の心をウキウキさせてくれる点を高く評価した。

岡崎 五朗

ブランド モデル
フォルクスワーゲン ID.Buzz 10
プジョー 3008 4
ホンダ プレリュード 2

とくに奇をてらった部分はない。高級感や権威を振りかざすわけでもない。しかしひと目でID.Buzzであることがわかる強い個性、面質の高さがもたらす上質感、健康的なプロポーションなどが渾然一体となった存在感は抜群だ。実際、今年の顔がそろい踏みする10ベストカー試乗会の会場でもID.Buzzの存在感は際立っていた。それも、単に目立つだけではなく、目にする人たちを笑顔にしてしまうフレンドリーさを兼ね備えているのがいい。デザインの持つ力の強さを改めて感じさせてくれる一台である。

岡本 幸一郎

ブランド モデル
キャデラック リリック 10
フォルクスワーゲン ID.Buzz 4
プジョー 3008 2

 堂々たるサイズに“映える”スタイリングやインテリアの仕立てなどなど、キャデラック渾身のBEVとしてその世界観を見事なまでに表現したリリックには、目にした瞬間から大きな衝撃を受けました。迷わず1位に挙げたいと思います。
 2位には、方向性はまったく異質ではありますが、これまたわかりやすいユニークなデザインのID. BUZZとします。往年のファンにとってはなつかしく、若い人にとっても興味深く、目にした誰しもを笑顔にさせる力を持ったデザインだと思います。
 3位をどう選ぶかかなり悩んだのですが、斬新さとまとまりのよさと、それをあくまでプジョーらしく表現した3008としたいと思います。外観だけでなくインテリアも実に前衛的で目を引くデザインとされていて、けっして特殊なクルマではない量販車でこうしたアプローチを実現できたことにも感心しました。

小沢 コージ

ブランド モデル
フォルクスワーゲン ID.Buzz 10
プジョー 3008 4
テスラ モデルY 2

まずVW ID.Buzzだがひと目で50年代~60年代の名車、VWタイプ2を想い出すシンボリックなデザインとカラーリングが秀逸。EVならではの理詰めなモノスペースフォルムも素晴らしく、エンジン車であれば衝突安全的に無粋なノーズが必要になった可能性大。室内の広さも圧巻でこれまたEVだから可能になったパッケージング。価格は高いが指名買いが多いのも肯ける。プジョー3008は他のどのSUVにも似ていない未来感と鋭いプレスのエッジ感が素晴らしい。テスラ モデルYはマイナーチェンジだけに見逃されがちだが他にはない進化したサイバーデザインに世界最多販売乗用車の強さを垣間見れる。

片岡 英明

ブランド モデル
フォルクスワーゲン ID.Buzz 10
キャデラック リリック 4
プジョー 3008 2

 フォルクスワーゲンの「ID.Buzz」は、1950年代からアウトドア派やカスタム派を魅了し、愛されてきたワーゲンバス(タイプ2)をデザインモチーフに誕生した。誰が見てもワーゲンバスの後継と分かる明快なフォルムと顔立ちだ。ガラスの明るさを2段階に調整できるパノラマガラスルーフはオプション設定になるが、とても開放的だ。2列目のスライディングウインドーも昔を知っているファンを納得させる装備だ。このように演出が上手で、長く乗っても飽きのこない秀逸なデザインなので高く評価した。キャデラックのイメージを覆したクロスオーバーSUVが「リリック」である。期待のバッテリーEVで、躍動感あふれるエクステリアデザインは新鮮だ。強い存在感を放つダイナミックなフォルムで、リアコンビネーションランプは1960年代のエルドラドをオマージュしている。これもうれしい配慮だ。右ハンドル車をスマートに設定したことも高く評価したい。「プジョー3008」もボディの面質やランプ類の洗練度が高く、強い存在感を放っている。遠くからでも目立つ、秀逸なデザインだ。

桂 伸一

ブランド モデル
日産 リーフ 10
BMW 2シリーズ グラン クーペ 4
ホンダ プレリュード 2

今年は流麗なハッチバックやクーペスタイルが豊富でそこに目がいく。そのなかでも最新のBEV、第3世代のリーフはクラス上のアリアを彷彿とさせるワンモーションのクーペスタイルに注目。グリルレスが多いBEVでも、個性的なフェイスとしたところもいい。
 BMW2クーペはスタイリッシュセダンのクーペ版で、どの角度から眺めてもスキのない美しい造形に引き寄せられる。近年のBMWにしては癖のないキドニーグリルも好印象。縦と斜めの格子が煩い気はする。流石、と唸らせるハンドリングと安定性と乗り味含めてBMWらしい1台。
 近年のホンダにはなかったプレリュードの流麗さは、ルーフからテールにつながる面が特に美しい。フレアしたフェンダーの曲面の滑らかさも美しさをさらに際立てている。

金子 浩久

ブランド モデル
BYD シーライオン 7 10
キャデラック リリック 4
アルファ ロメオ ジュニア 2

シーライオン7はクロスオーバーというスタイルを巧みに消化した上で、実用性と使い勝手向上をも両立させている。リリックはキャデラックらしい華美さを新時代のロジックとセンスでまとめ上げているところを評価する。斬新でオリジナリティが高い。ジュニアはプラットフォームを共用しながらブランドごとの違いを新しい手法で上手く表現できている。

河口 まなぶ

ブランド モデル
フォルクスワーゲン ID.Buzz 10
スズキ e ビターラ 4
プジョー 3008 2

今年選んだ3台は、ひと目見て「おっ」と思わせるインパクトのあるデザインが印象的だった。プジョー3008はドアを開けた瞬間にクルマではなく宇宙船に乗り込むような驚きを覚え、ワクワクさせるものがあった。スズキeビターラは内外装ともにマテリアルの質に頼らないデザインそのものでの魅力を作り込むことに成功していると感じた。そして1位に選んだID.Buzzのデザインは、VWの過去の名車をオマージュしつつも現代のデザインでそれを昇華し、見た目の楽しさだけでなく醸し出す雰囲気でも独自のインパクトを携えていたのが印象的だった。

川島 茂夫

ブランド モデル
フォルクスワーゲン ID.Buzz 10
プジョー 3008 4
ホンダ N-ONE e: 2

 ID.Buzzとプジョー3008はサイバー時代を表現したデザインとして選んでいます。どちらも近未来を予感させながら、どこか懐かしさを感じさせる内外装デザインでID.Buzzは「サイバーカワイイ」、プジョー3008は「サイバーカッコイイ」という感じです。ID.Buzzはミニバンの基本適応用途となるファミリー&レジャー用途に向けたモデルらしく内外装デザインともにシンプルかつフレンドリーな印象を覚えました。個人的にはヘッドランプもVWバス/バンをモチーフにした丸形だったらとも思うのですが、そこまですると「カワイイ」に寄り過ぎるので現状がいいバランスなのかもしれません。プジョー3008は灯火類をアクセントに使ったダイナミックな造形の外観も魅力的ですが、コックピット周りがとても印象的です。幅広のディスプレイや輪外配置メーター、異形ステアリングホイールなど機能感と先進感のバランスが妙味です。この2車では上級ミニバンでは少数派のフレンドリー路線をとったID.Buzzを一位に選びました。相対的にはプジョー3008よりも挑戦的といえ、そこを加点要素とした訳です。
 もう一車はN-ONE e:です。同車はN-ONEをベースに開発されたモデルであり、プロポーションや基本フォルムは共通しているのですが、リアゲート周りを新規に起こしたり、リサイクル素材の地肌をデザインのアクセントにするなどして「おやっ!?」と二度観させるような妙味があります。また、部品の共用化によるコストダウンと個性の演出を上手に両立する良い例として選びました。

木下 隆之

ブランド モデル
プジョー 3008 10
BMW 2シリーズ グラン クーペ 4
BYD シーライオン 7 2

時代の息遣いと個性の輝きが最も鮮やかに宿った3台を選びました。プジョー3008は彫刻のような面構成で未来感と生命感を両立し、BMW 2シリーズは端正なプロポーションに躍動をまとわせた点。BYDシーライオンはエレクトリック時代の新しい風を颯爽と示してくれました。三者三様の美しさが、今年のデザインを豊かに彩ってくれました。

日下部 保雄

ブランド モデル
フォルクスワーゲン ID.Buzz 10
プジョー 3008 4
BYD シーライオン 7 2

家族や友人との楽しいひと時を連想させるワーゲン・バス。そのデザインをコラージュしたiD.BUZZは現代のミニバンにあってEVならではの静粛性と滑らかな走りで唯一無二の存在だ。乗っているだけで笑顔になれるワーゲン・バスの世界観を継承した優れたデザインだ。
プジョー3008の美しくユニークな内外装はデザインの国、フランスを思い起させプジョーブランドの存在感を一気に引き上げた。
BYDシーライオン7はSUVの枠にとらわれないおおらかさを感じさせる

九島 辰也

ブランド モデル
フォルクスワーゲン ID.Buzz 10
プジョー 3008 4
BYD シーライオン 7 2

デザインの観点からすると基本的にミニバンはこの賞の対象外となります。それはデザインが楽しくないからです。押し出しの強いマスクで迫力を出す意外に個性を感じません。ですが、このクルマは違います。まさに出かけたくなるミニバンです。これこそデザインの勝利でしょう。現時点で世界で唯一の”エモーショナル”なミニバンと言えます。

工藤 貴宏

ブランド モデル
フォルクスワーゲン ID.Buzz 10
プジョー 3008 4
テスラ モデルY 2

デザインに一目ぼれして選びたくなるクルマ。ID.Buzzはまさにそんなクルマです。誰がみてもID.Buzzだと一目瞭然。つまり個性的。それでいて唐突感などはなく、乗る人も見る人も笑顔にしてくれる平和なデザイン。デザインに理屈なんていらないと思わせてくれます。
3008はインテリアの雰囲気が素晴らしい。斬新かつ先進的であり、広範囲にわたって張ったファブリックの質感には温かみがあって不思議な感覚。それを高く評価しました。
モデルYは間接照明としたテールランプに斬新さと美しさ、そして将来性を感じました。

国沢 光宏

ブランド モデル
フォルクスワーゲン ID.Buzz 10
プジョー 3008 4
ホンダ プレリュード 2

デザインでクルマが売れる、という点で考えたなら圧倒的にID.Buzzである。これほど目立つデザインはめったにない。文句なしの1位としたい。2位は芸術的なデザインの3008を選ぶ。デザインテーマとからすればID.Buzzと正反対。煩雑なラインや面で構成されている。なのにキチンとカタマリ感を出し、なおかつきっちりバランスを取り、存在感を出しているんだから素晴らしい。デザイン力として考えたらID.Buzz以上かと。3位プレリュードについていえば正統派の「美しいデザイン」だと思う。トヨタのハンマーヘッドに似てしまったのが残念ながら(プリウスのクーペを作ったらソックリになると思う)、前から見ても横から見ても後ろから見て、斜め前から見ても文句なし!

五味 やすたか

ブランド モデル
プジョー 3008 10
フォルクスワーゲン ID.Buzz 4
アウディ A6 e-tron シリーズ 2

奇抜さや浮世離れした形ではなく、普段のクルマとして使える中に個性を強くアピールする造形を持つクルマを評価しました。もちろん、そのようなクルマをカッコ良いと思うからこそです。

こもだ きよし

ブランド モデル
フォルクスワーゲン ID.Buzz 10
トヨタ クラウン(エステート) 4
ホンダ プレリュード 2

ID.Buzz
ワーゲンバスとして多くの人に好かれたフォルクスワーゲンType2をオマージュして作られた21世紀のワーゲンバス。クルマに興味がない人でも可愛いと言って乗り込んでくる。街中でも横のクルマはもちろん、歩いている人も振り返って見るほど注目の的になる。これぞデザインの勝利といって良いだろう。
クラウンエステート
アクティブな大人のためのエステートに仕上がっている。SUVでもなく、ワゴンでもなく、クラウンというブランドに恥じない風格があるデザインに仕上がっている。
プレリュード
初代プレリュードのオーナーだった筆者としては、スペシャルティクーペの復活を喜びたい。低いボンネットとルーフからなだらかに下がるリヤウインドウによって空気を味方につけて滑るように飛ぶグライダーを想起させるデザインは、そのまま走りのイメージと重なるところが良い。

斎藤 聡

ブランド モデル
フォルクスワーゲン ID.Buzz 10
ヒョンデ インスター 4
ホンダ プレリュード 2

ID.Buzzのデザイン的な功績は、単なるノスタルジックデザインにとどまらず、タイプ2の本質的な価値を現在技術で再構築した点にあると考えます。オリジナルのTYPE2が、リヤエンジンゆえに実現したキャブフォワードの機能美を、EV専用プラットフォームだからこそ可能になったショーㇳオーバーハング&ロングホイールベ―スで再現。これはパワートレーンの制約から解放されたEVデザインの一つの解だと考えます。
2位にはインスタとしました。割り切ったコンパクトなボディは、都市型コミューターの理想的なパッケージだと思います。
3位には美しい面で構成される流麗なデザインを、現代に提示したプレリュードとしました。

斎藤 慎輔

ブランド モデル
フォルクスワーゲン ID.Buzz 10
プジョー 3008 4
日産 リーフ 2

ゴルフがアイコンとはなりにくくなってきたフォルクワーゲンにとって新たに強力なアイコンとなるのがID.Buzzです。これを1位としました。
近年でも多くの人が目にしたことがあるだろう往年のTYPE2、キッチンカーなどで見かけることの多いアレです。通称ワーゲンバスを現代風にアレンジしたそうですが、ヘッドライトを丸目にしなかったところも安易なイメージ継承ではなく全体フォルムとしてそれを表現していると思わせます。
その上でフォルクスワーゲンらしいシンプルな面構成で、それでいて光による抑揚を美しく映し出すあたりに技を感じています。
床下に駆動用バッテリーを配するBEVにとって、その分の高さを加えたサイドビューがフォルムのバランスを取りにくくしがちですが、ミニバンではそうした課題が生じにくいのもプラスでしょう。
ギラギラ系のミニバンが大半の中での、異質のシンプルさもホッとさせるところではあります。
2位としたプジョー3008は、先代のSUVワゴンからクーペフォルムのクロスオーバーへと大きく変化を遂げました。
ステランティスの新開発プラットフォームを先陣を切って採用しており、エンジン車とBEVの共用となります。すなわち床下バッテリーの高さ分をサイドフォルムに上手く取り込む必要がありますが、そのボリューム感とシャープなクーペフォルムが綺麗にバランスしているように見受けます。
さらに極めて凝ったインテリアデザインとその各部素材の選び方にも一目置いています。
3位は日産リーフとしました。短くなった全長の中で塊感と流麗感をバランスさせており、その上での空力性能の追及がなされているものとなっています。

佐藤 久実

ブランド モデル
プジョー 3008 10
BYD シーライオン 7 4
ホンダ プレリュード 2

1位 プジョー3008  ディテールの造形に至るまでこだわりと美しさが見られ、随所にプジョーのデザイン哲学である「力強さと洗練の融合」が感じられる。室内空間も、ドライバーシートとパッセンジャーシート、それぞれに居心地の良さがある。
デザインと機能性が両立され、所有欲を満たしてくれる。

佐野 弘宗

ブランド モデル
ホンダ プレリュード 10
プジョー 3008 4
フォルクスワーゲン ID.Buzz 2

フロント部分がどうしてもかさばってしまうハイブリッドの前輪駆動車は、そもそも「鼻先が低くて尖っている」というスポーツカーの伝統的なカッコ良さを表現するのが非常にむずかしいです。しかし、プレリュードは「グライダー」というテーマを発見して、その弱点を逆手に取ったプロポーションで、ハイブリッドFFならではのスポーツクーペ像を描いてくれました。
3008は見事にバランスの取れた背高スポーティルックはもちろん、グラデーショングリルを中心としたフロントエンド、シャープなサイドシル、隠しデザインのサイドウェザーストリップ、前衛的な巨大センターコンソールによるコクピットデザイン、しそして丹念に張られたダッシュボードのファブリックなど、徹底して高品質なディテール処理が全体のオーラにつながっているところが素晴らしいです。まさに「神は細部に宿る」です。
タイプ2という明確なモチーフがありつつも、安易に丸形ヘッドライトや切り立ったフロントウインドウに頼らず、新しいながらもフォルクスワーゲンにしか見えない意匠にまとめあげたID.BUZZの仕事はまさにプロフェッショナルです。

澤 円

ブランド モデル
フォルクスワーゲン ID.Buzz 10
プジョー 3008 4
日産 リーフ 2

ID.Buzz は、とにかくかわいい!
ポップでカラフル。ワーゲンバスの世界観を持ちつつ、EVであるというこのギャップがいい。
3008は、やはりエンブレムが決め手。精悍な顔とエンブレムのコントラストが素晴らしい。
また、思い切り左右非対称にしたインテリアが印象的でした。
リーフは、今までとは思い切りデザインの路線が変わり、よりスポーティーになった部分がステキです。

塩見 智

ブランド モデル
プジョー 3008 10
フォルクスワーゲン ID.Buzz 4
ヒョンデ インスター 2

今季は魂を揺さぶられるようなデザインの候補は見当たらなかったが、まったくダメなのもなかった。近頃重要とされるSNS等での刹那的なバズリを求めるなら出オチ覚悟の過激なスタイリングが必要だが、大笑いしていいねを押しまくったのに1ヶ月も経つと忘れているダンス動画やショートドラマと違って、クルマのデザインはもっと長い賞味期限を求められる。そういう意味では、過激でキャッチーなID.Buzzやインスターも悪くないけれど、同じように過激だがそれだけではなく、自分たちが大事にしてきた“らしさ”も備え、飽きずに長く鑑賞できそうな3008のデザインが最も秀逸。

島崎 七生人

ブランド モデル
スズキ e ビターラ 10
プジョー 3008 4
フォルクスワーゲン ID.Buzz 2

 こういう言い方はいささか無礼かもしれないが、スズキeビターラはには国産車らしからぬ、もっと言えばスズキらしからぬセンスに惹かれた。コンパクトSUVにこそ求めたいカタマリ感のあるフォルムも無条件で好感がもてる。程よくモード系と見做せるインテリアも、純粋にデザインでいえば心地いい。モード系ということではプジョー3008も同様。VW ID.Buzzは、こういうデザインのクルマなら乗っているファミリーも楽しげだし、街の景色も明るくしてくれる。

島下 泰久

ブランド モデル
ホンダ プレリュード 10
フォルクスワーゲン ID.Buzz 4
ヒョンデ インスター 2

 ホンダ プレリュードのグライダーをモチーフにしたという外観デザインは、ハイブリッドのスポーツスペシャルティカーに相応しい軽快感、浮遊感、そして風を味方にするという機能性に繋がっていて、中身のハードウェア、更にはクルマ自体のコンセプトとも一貫した魅力になっている。割り切って前席優先とした空間設計として、それをカラーコーディネートでも表現したインテリアも同様。クルマ全体に主張がブレなく貫かれているのが気持ち良い。
 人を幸せな気持ちにする、思わず笑顔にするのがID.Buzzのデザイン。サイズの大きさも、このデザインと相まってユーモラスな魅力になっている。目つき鋭い威圧的なデザインのクルマが主流になる中、これぞフォルクスワーゲンらしい独自の個性だ。
 美しいとかスタイリッシュというのとは違うが、内外装の意匠だけでなくスリーサイズ含めたパッケージングも含めて、親しみやすく、また気分をアゲてくれるのがヒョンデ インスターのデザイン。愛らしいけれどファンシーグッズではなく、強さもあるが威圧感は無い。ハイブランドのものではないけれど街に出かけるのが楽しくなるお気に入りのスニーカーのような存在感とでも言えばいいだろうか。
 自動車のデザインは個人の趣味で選ぶものである一方、街の景観を作るものでもある。よって自分だけでなく見かけた誰かの感情を刺激するのが面白いところだ。この3台のデザインがいずれも、見かけたら思わず目で追ってしまうような、そしてその時に心揺り動かされるようなものであることは間違いない。

嶋田 智之

ブランド モデル
アルファ ロメオ ジュニア 10
プジョー 3008 4
フォルクスワーゲン ID.Buzz 2

【アルファロメオ・ジュニア】
正式発表された直後の、世界中の反応を思い出して欲しい。否定、いや、拒絶8割と言っていいほどの酷評っぷりだった。ところがどうだ? 1年も経たないうちにドイツでデザイン賞を獲るなど評価は一変していて、今やジュニアをカッコ悪いという人はほとんど見掛けない。思えばアルファの歴史の中にはそうしたモデルが何台もある。まず衝撃〜でもなぜか目が離せない〜見てるうちに好きになる〜見続けてると虜になる、という流れ。最初の評価が綺麗にひっくり返っていくのだ。その得体の知れない──というより言語化できない──説得力。それがアルファロメオのデザインの底力であり、DNAなのだと思う。その鮮やかな手口に敬意を表して。

【プジョー3008】
近年のプジョーのスタイリングは、見るからに繊細にしてエレガントな方向性。それがSUVらしい力強さと矛盾なく同居して、独特の美しさを創造してるところがお見事。車体が少し大きいかなとも思ったが、広々とした車内空間があったからこそ、インテリアの独特の造形美が活きてるのかも、とも思う。個人的にはこのインテリアのデザインが3008の白眉だと感じてる。

【フォルクスワーゲン ID.Buzz】
かつての名車、タイプ2のオマージュであることを隠しておらず、なのに過去作を変に模倣するようなことをせず、重要なエッセンスをさりげなく散りばめるに留めているあたりはさすが。少しも似てないのに時を隔てたタイプ2の後継モデルであることがはっきりとわかる。精神性の継続がデザインによって巧みに形づくられてる好例だと思う。

清水 和夫

ブランド モデル
ヒョンデ インスター 10
フォルクスワーゲン ID.Buzz 4
キャデラック リリック 2

1位にインスターを選びました。コンパクトカーであるものの、モダンで安定感のあるスタイリングを評価。
2位はVW・BUZZ。レトロチックを言われようが、初代モデルが人気を得ていた時代を思いださせる文化デザインだ。
3位はキャデラックのリリック。力強さとキャデラックの上質なスタイルは満足できる。

神保 匠吾

ブランド モデル
フォルクスワーゲン ID.Buzz 10
日産 リーフ 4
テスラ モデルY 2

2025-2026年の『デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー』には、〈VW ID. BUZZ〉を1位とさせていただきました。往年のワーゲンバスが長年にわたり世界中で愛されてきた歴史を継承しながらも、新時代のモビリティとして現代的に再解釈している点が大きな魅力と思えます。また、数十年にわたりモーターショーで披露されてきたコンセプトモデルが、期待を裏切ることなく量産車として日本市場にも導入されたことは非常に素晴らしく、これからのVWを象徴する存在になる可能性を強く感じさせます。
2位には「日産リーフ(3代目)」を選ばせていただきました。量産EVのパイオニアとして、洗練されたデザインからその進化を感じ取ることができます。スリークなプロポーションと合理的なパッケージングは、EVらしい滑らかさと日産らしい実用性を高いレベルで両立しています。中でもリアテールランプの“2”と“3”を意図的に組み合わせた造形は“ニッサン”を意味しており、現代のカーデザインにおいてユーモアを感じ取れる希少な現行車といえます。
3位には『テスラ・モデルY』を選ばせていただきました。水平基調を強調したエクステリアによって、よりモダンな印象を受けます。また、リアテールランプには世界初となる拡散反射の技術が用いられ、夜間の視認性向上とその美しさによる存在感が際立っています。ミニマルなデザイン哲学と機能性が高い次元で統合されており、テスラらしい独自性を体感できるモデルです。

瀬在 仁志

ブランド モデル
フォルクスワーゲン ID.Buzz 10
プジョー 3008 4
ヒョンデ インスター 2

デザインを評価する上で決めていることは、芸術点ではなくクルマとしての重要な機能である運動性能や居住性を損なうことなく、そのブランドの個性をしっかりと伝え、ひと目で車両の魅力を具現化させているものを選んでいる。VWのID.BuzzはVWバンの長い歴史の中でも未だに色褪せない魅力を伝える『ワーゲンバス・タイプ2』のフォルムを現代的にアレンジし、尚且つ時代の趨勢であるEV専用車として蘇らせた。広い室内とパワフルな走りはデザインばかりでなく、しっかりと運動性能とワゴンとしての機能を最大限満たしている点を評価した。3008、インスターも同様にフランス車として、他の国のクルマでは味わえないフォルムやディテール、インスターはコンパクトなボディの中に力強さと個性を演出。どちらも存在感に溢れていながら、妥協のない運動性能と魅力的な居住空間を作り込んだ点にデザインの優秀性を認めた。

世良 耕太

ブランド モデル
トヨタ クラウン(エステート) 10
プジョー 3008 4
スバル フォレスター 2

「型があるから型破りがある」とは、クラウンシリーズ開発責任者の弁。クラウンの型は長らくセダンだったが、開発陣が「自分たちが欲しいクラウン」を考えた結果、型破りなクロスオーバーが生まれた。クロスオーバーで固定概念からの脱却を図ることができたので、新たな発想でセダンを開発。「もっといろんなクラウンがあっていい」と、市場のニーズに応える格好でスポーツとエステートを生み出した。エステートのこだわりのひとつは荷室のユーティリティで、段差のない全長2mの完全フラットデッキがそれを象徴する。しかし、外観はユーティリティ一辺倒を感じさせず、風格と流麗さが前面に出ているのが美点。存分にスポーティですらある。SUVとステーションワゴンのクロスオーバー的なプロポーションは今までのクラウンにはなかった。歴代クラウンに連綿と受け継がれる「革新と挑戦」のスピリットを体現するエステートは、クラウン誕生70周年を飾るにふさわしいデザインを身にまとっている。
 プジョー3008は、プジョーにしかできない、プジョーだからこそできた、冒険的で先進的なデザインが魅力。とくに先進性と使い勝手、そして質感を両立した点にデザイナーを含めブランドの手腕を感じる。スバル・フォレスターは、寸法は大きく変えずに「強い存在感を出したい」と、エクステリアデザインの大変更に踏み切った。空力や視界、衝突安全などさまざまな制約があるなかで「変わった」感を打ち出すことに成功。ボンネットフードの輪郭をシンプルな形状にしたり、運転席からワイパーが見えたりしないようにするなど、機能とデザインを高次元で両立させている。

高橋 アキラ

ブランド モデル
フォルクスワーゲン ID.Buzz 10
ヒョンデ インスター 4
プジョー 3008 2

クルマを購入しようと考えた時、デザインは大きなウエイトを占める要素だと思います。ID.Buzzは誰の目にもインパクト十分なデザインで登場したと思います。実際の試乗中でも写真を撮られたり、話しかけられたり一般の方からの注目度は抜群でした。

竹岡 圭

ブランド モデル
フォルクスワーゲン ID.Buzz 10
ヒョンデ インスター 4
プジョー 3008 2

デザインで人の気持ちや心持ちが変えられる、デザイン力というものを、改めて感じさせられました。クルマの性格に合わせて、使われるシチュエーションを想像して、それを数年先まで見据えて、人の心に残る愛車となっていくのは、デザインによるものが大きいと思います。どれも素晴らしいクルマたちばかりで悩ましいですが、乗っている人はもちろん、見ている人も笑顔にさせてくれるID.Buzz。街中の日常を明るく彩るインスター。スタイリッシュかつスポーティーといった運動性能と世界観を見た目からも伝えてくる3008を選ばせていただきました。

竹下 元太郎

ブランド モデル
フォルクスワーゲン ID.Buzz 10
プジョー 3008 4
ホンダ プレリュード 2

●フォルクスワーゲン ID.Buzzは、自動車という製品における「デザインの力」をいうものを教えてくれた。かつてのフォルクスワーゲン・タイプ2の印象を現代によみがえらせたエクステリアデザインは、ひと目でそれが何であるのかを見るものに悟らせる。楽しい気持ちにさせる。パッケージとしても無理がなく、電気自動車(BEV)としてコンポーネントを無理なく収めながら、乗員の居住性・実用性を自然に成立させている。また、BEVという将来に向かった乗り物に、どこかノスタルジーを感じさせる視覚イメージを与えることで、消費者に親近感を与えることに成功している。これらは今後のBEVのマーケティングに影響を与えるのではないだろうか。
●プジョー3008は「デザインの可能性」を見せてくれた。内外装とも新しい表現に果敢に取り組み、見事に成就させた。従来型は欧州市場でも非常に成功したと聞く。成功にあぐらをかくのではなく、挑戦していく姿勢はとてもすがすがしい。
●ホンダ・プレリュードは「新時代のスペシャリティカー」を見せてくれた。いわゆるクロスオーバー車のスタイルを取るのではなく、低く構えた2ドアの、クラシカルなクーペスタイルを踏襲し、クーペの原点に戻ろうとしているかのようだ。また、そこにグライダーのイメージを重ねることで、時間の経過によって古びないタイムレスなクーペ像を模索しているかのようにも見える。ハッチバックスタイルをとることで荷室へのアクセスを容易にするなど、実用性の確保も忘れていないことにも好感を覚えた。

谷口 信輝

ブランド モデル
フォルクスワーゲン ID.Buzz 10
ヒョンデ インスター 4
ホンダ プレリュード 2

フォルクスワーゲン・バンの良いところをちゃんと受け継いだID.Buzz。可愛さと存在感と未来感があって、
見るものの目を引く。ショートとロングのホイールベースが用意されているが、「胴長感」で私はロングホイールベースの方が好みだ。

鶴原 吉郎

ブランド モデル
プジョー 3008 10
フォルクスワーゲン ID.Buzz 4
日産 ルークス 2

プジョーの新型「3008」は、ボディ同色のパネルに細かい格子をつけることでボディパネルとグリルを一体化する新しいデザイン手法を生み出した。内装では湾曲した大型ディスプレイが浮かんだような「パノラマi-Cockpit」にファブリックを組み合わせ、ハイテクと寛ぎ感を共存させた。こうした新しい感覚のデザイン手法を生み出したことを評価した。
フォルクスワーゲンの「ID.Buzz」は、伝説的な「ワーゲンバス」のデザインを新たな感覚で現代に蘇らせたことを評価した。ただし、内装については外装ほどのユニークさが見られないのが残念だった。
日産自動車の新型「ルークス」は、軽自動という寸法の制約の大きい商品の枠の中で、「かどまる四角」のデザインモチーフを随所に取り入れ、特にフロントグリルは軽を超える車格感と新鮮な感覚を盛り込むことに成功した。内装でも、12.3インチという大型統合インタフェースディスプレイを採用したり、布地調の素材をインパネにあしらうことで、軽自動車の枠を超えた高い質感を実現した。

テリー 伊藤

ブランド モデル

戸田 治宏

ブランド モデル
プジョー 3008 10
フォルクスワーゲン ID.Buzz 4
アウディ A6 e-tron シリーズ 2

3008は好き嫌いがハッキリわかれるかもしれないが、奇抜と言ってもいい斬新なデザインを内外装にわたってやりきっている。未来的ともいえる造形だが、不思議と冷たさを感じさせないのがプジョーらしいところだ。ID.BUZZはワーゲンバスをBEVで現代に蘇らせたデザインが見事。今風にアレンジしたスライディング・ウィンドウの採用など、細部へのこだわりも抜かりない。デザイン部門1位はこの2台で迷ったが、より多くのユーザーがデザインの素晴らしさを享受できる3008を選んだ。A6 e-tronは美しく洗練された王道のスタイリングとともに、アウディ試乗最高となるCd値0.21の空力性能を達成。デザインと機能が高度に両立されている。

中谷 明彦

ブランド モデル
プジョー 3008 10
テスラ モデルY 4
フォルクスワーゲン ID.Buzz 2

プジョー3008は特徴的なフロントデザインが新世代にプジョー車であることを明確に物語っている。フレンチテイストのお洒落さを持ちながらも、LMH(ル・マン・ハイパーカー)のレースカー的な雰囲気も醸し出す。加えてインテリアデザインもi-Cockpitと呼ばれるコクピット周りを中心に斬新さと操作性の良さが両立し、細部に至るまでデザイナーの意図が明確に表されている。
モデルYはテスラ車のアイデンティティをそのままに、実用性の高さと車好きのハートに刺さるカッコ良さを持っている。どの角度から見てもテスラとわかり、その姿形で車を選んでしまいそうになる。
ID.Buzz はまさに見た目通り。レトロモダンをBEVのパッケージを活かして現代に通用するミニバンとして復活させ、それでいて先進性を感じさせるデザインを評価した。

西川 淳

ブランド モデル
プジョー 3008 10
フォルクスワーゲン ID.Buzz 4
キャデラック リリック 2

プジョー3008のインテリアデザインに衝撃を受けた。このまま他の車にも移して使ってみたいほどだ。特に同じステランティスグループの他のブランドと比べても突出して面白い。直線が多くメカメカしく見えがちなデザインであるにも関わらず、意表をつくマテリアル使いで”直線を柔らかく”見せることに成功した。結果的に洒落て見える。VW ID:Buzzはヘリテージをモチーフにしつつ決してレトロモダンではないところが秀逸。大きいのに優しい。人が寄ってくるデザインだ。キャデラックリリックは内外装デザインの親和性に優れているうえ、乗り味とも上手くリンクしていた。

西川 昇吾

ブランド モデル
ヒョンデ インスター 10
フォルクスワーゲン ID.Buzz 4
プジョー 3008 2

インスターのピクセルをモチーフとしたユニークなデザインは印象に残るアイコニックなもので、未来的な雰囲気が作り出されています。コンパクトな規格にそってデザインされたため室内空間の確保などが難しかったと思いますが、そのような制約がある中でこれだけ独創的な世界観を作り、なおかつそれが違和感を思わせないものであることに感銘を受けました。また、若手デザイナーがやりたいことをふんだんに取り入れたというデザインが成り立つまでのストーリーも好印象でした。 

新たなアイコンの創造を行ったインスターとは対照的に、ID.Buzzはヘリテージに由来するデザインですがフォルクスワーゲンの新時代アイコンになったのは間違いありません。このクルマの登場によって販売現場では新たなユーザーが店舗に足を運んでいると聞いています。デザインでこれまで接点がなかったユーザーがフォルクスワーゲンへ興味を持つキッカケとなっているということでしょう。このクルマのデザインはフォルクスワーゲンブランドへの貢献度が大きいと思い高評価としました。

3008はデザインが市場からも高く評価されている1台です。購入理由としてはデザインが最も多くなっていて、SUVという枠を超えた独自の世界観があるモデルです。エクステリアデザインはもちろんですが、インテリアデザインは他に類を見ない仕上がりとなっています。それでいて不便さや違和感を大きく感じさせないパッケージとなっていて、素晴らしい完成度です。

萩原 秀輝

ブランド モデル
ホンダ プレリュード 10
プジョー 3008 4
日産 リーフ 2

 1位のプレリュードは、エクステリアデザインコンセプト「GLIDING CROSS STANCE」を具現化していることを評価しました。サイドビューの伸びやかさは、実際に体験することができる軽快な走りを予感させてくれます。インテリアデザインコンセプト「GLIDIND COCKPIT」も走りの予感を印象づけます。
 2位のプジョー3008は、エッジが効いたファストバックSUVのフォルムにフロントビューとリアビューの意欲的なディテールが似合っています。インテリアは、先進的なi-Cockpitと暖かみを感じる布張りのトリムを巧みに調和させています。
 3位のリーフは、エクステリアのワンモーションフォルムとウエストが絞られているように見えるデザインを評価しました。ヘッドランプとリアランプにおける光の演出にも、独創性を感じます。インテリアは開放的なデザインで、従来型と比べて質感が一気に高くなったことに好印象を覚えました。

橋本 洋平

ブランド モデル
ヒョンデ インスター 10
フォルクスワーゲン ID.Buzz 4
キャデラック リリック 2

 どこかのマスコットキャラクターがそのままクルマになったのかな? なんて思える可愛らしくも格好良くもある他の類を見ない独自のデザインが印象的だったのがインスター。あえてコンパクトカーに乗りたくなってくるほど愛くるしいデザインが気に入ったで1位に選んだ。
 2位は乗っている人も見ている人もニッコリできてしまうID.Buzz。かつてのType2の復刻版であることは紛れも無い事実なのだが、実際には新しい灯火類の形をはじめ新たなるトライが見えたりするところも面白い。次世代へ向けたVWの良いアイコンとなってくれそうな存在だ。
 3位に選んだリリックは、他にないキャデラックらしいフロントマスクに目を奪われた。ブラッククリスタルシールドは残念ながら日本の法規に合わせてイルミを廃止しているが、それでもキャデラックらしさは健在。テールもかつてのエルドラドをモチーフとしており、きちんとヘリテージを大切にしたことが嬉しい。

濱口 弘

ブランド モデル
プジョー 3008 10
フォルクスワーゲン ID.Buzz 4
ヒョンデ インスター 2

3008は、Cピラーからテールライト、エグゾーストパイプまでのデザイン処理が絶妙で、サイドスカートやホイールアーチはフロントマスクの独特な雰囲気に負けないプジョーの奥深いデザイン工学を感じ取れる。インスターは文句なしに可愛い。ライフスタイルが明確に出るクルマだ。ID.Buzzはコンセプトデビュー時からかなり現実的な仕様へと落とし込まれてしまったものの、雰囲気、清潔感共に◎。

ピーター ライオン

ブランド モデル
フォルクスワーゲン ID.Buzz 10
プジョー 3008 4
ホンダ プレリュード 2

抜群に美しいスタイリングを持ち、温かみ溢れるID. Buzzを見るだけで乗りたくなります。そのデザインは、クラシックなタイプ2マイクロバスへのノスタルジアと、現代的で実用的、そして個性的な電気自動車のフォルムを巧みに融合させ、今年最高のデザインだと思います。ID. Buzzを特別なものにしているのは、そのエモーショナルな魅力です。多くのEVはテクノロジー重視のミニマリズムに傾倒していますが、Buzzは無味乾燥な外観と批判されがちなセグメントに、温かみと個性をもたらしています。つまり、ID. Buzz が格好いいと思えるところは、楽観的で、人間味があり、真に独創的であるからです。つまり、スペックだけではなく、魂を持ったEVだからこそ私の一押しです。

ピストン 西沢

ブランド モデル
フォルクスワーゲン ID.Buzz 10
プジョー 3008 4
ヒョンデ インスター 2

改めて個性的な輸入車のデザインに驚かされる1年でありました。これらのクルマは私が学生の頃、実用的な国産車より多少不便でもデザイン性に優れた個性的なクルマに魅力を感じていたことを思い出させます。毎日の生活が新鮮で、未来に希望を持つ年代の多少浮かれた日常を、さらに盛り立てるようなクルマ達でした。遊びに行った海やレジャー施設、大学の駐車場、自動車イベントのミーティングなどで、触れ合ったおしゃれなクルマ達。1位にあげたID BUZZはもちろん、2位のプジョー3008と3位の現代インスターも同じ匂いを感じます。特にID BUZZは子供のころ畏敬の念を持ったカリフォルニア感を色濃く感じ、今のテクノロジーに支配される無機質な時代に「不自由でも楽しさを選ぶ自分らしさ」を思い出します。大きなボディや外に電気を取り出せないなど、必ずしも日本市場に即したものではありませんが、そんなことより見た目が大事という部分を訴えてきます。

藤島 知子

ブランド モデル
プジョー 3008 10
フォルクスワーゲン ID.Buzz 4
スズキ e ビターラ 2

プジョー『3008』のスポーティで前衛的なスタイリングは存在感が抜群。一見すると華やいで見えるが、よく見ると練り込まれたディテールが様々な表情をみせてくれる。その姿は都会にも自然の中でも映えもので、時間が増すごとにさらに魅力が増して見えることにデザインの力が感じられた。

フォルクスワーゲン『ID.Buzz』は、老若男女を問わず、眺める人たちを思わずニンマリさせるフレンドリーなデザイン。かってのワーゲンバス(タイプ2)を知る人からすると懐かしく、知らない世代をも虜にしてしまう存在。

スズキ『eビターラ』は抑揚を与えた力強いフォルムで存在感抜群のモデル。BEVに与えたクロスオーバー的なキャラクターはラフロードのアクティビティにもマッチするスズキの新たなチャレンジだと感じた。

松任谷 正隆

ブランド モデル
フォルクスワーゲン ID.Buzz 10
アウディ A6 e-tron シリーズ 4
ヒョンデ インスター 2

昔を知るものにとっては、新しいのに懐かしいデザインに思えることがID Buzzを1位に入れた理由です。2位のA6は単純に形が洗練されていると思うから。3位のインスターはユニークだと思うから、です。

松本 英雄

ブランド モデル
ホンダ プレリュード 10
BMW 2シリーズ グラン クーペ 4
トヨタ クラウン(エステート) 2

デザインについても様々な考え方があるとは思いますが、私としては実用的で新しい要素がある点を重点に3つのモデルを評価をしました。順位はあれど3つのモデルは非常に拮抗している事をご理解ください。まずトヨタクラウンエステートですがクラウン兄弟の締めくくりのモデルであります。SUVというひとくくりの中、伸びやかな優雅でエフォートレスな印象を与えることに豊かさを感じました。優雅を演じたデザインは心のゆとりともとれるのではないでしょうか。次にBMW2シリーズグランクーペですがコンパクト4ドアながらプレミアム感を確立しつつエイジレスな雰囲気を作り出したデザインといえます。フロントの風貌はラテンのスポーティーモデルを彷彿としながらノーブルな装いを感じさせる表情は他にはない特徴といえるでしょう。ホンダプレリュードは実際に見るまでは、それほどのデザインではないと感じていました。写真で見るとプレミアムスポーツモデルのエッセンスを切り張りした個性のないデザインと感じたのは私だけではないはずです。目の前にしたときにとの印象は変わりました。日本の自動車づくりは欧米のモデルを国土に合った大きさにデフォルメしてきた特徴が歴史的にあります。ホンダもそのあたりが非常に上手なメーカーです。FFのディメンションを生かした独特な形はリアに流れるフォルムは塊感のあるコンパクトで存在感があります。大きく開くハッチバックスタイルも日本のモデルとして身の丈にあった最大限のスタイルだと思います。この時代に他社ではできない思い切ったデザインは評価に値すると感じました。飽きの来ないデザインといえるでしょう。

まるも 亜希子

ブランド モデル
フォルクスワーゲン ID.Buzz 10
キャデラック リリック 4
BYD シーライオン 7 2

 はからずも、選考した3台すべてがBEVとなりました。でもそれは先進性というよりは、それぞれのクルマが持つ世界観や、人の心を瞬時に動かすデザインのチカラを強く感じた3台だったからだと思います。
 とくにID.Buzzは、昔のワーゲンバスを知っている人には懐かしさとともに驚きと楽しさをもたらし、知らない若い世代には強烈な個性とファンタジーをもたらす傑作だと感じました。
 このクルマと一緒に走ってみたい、暮らしてみたいと思わせるデザインを応援します。

山田 弘樹

ブランド モデル
フォルクスワーゲン ID.Buzz 10
ヒョンデ インスター 4
プジョー 3008 2

愛着を抱きずらいミニバンの見た目に、その大胆なカラーリングとインテリアの楽しさで新しい価値観を与えたID.Buzzをデザイン・カー・オブザイヤーの1位に選びます。本当は丸型LEDライトでもっと先祖返りさせてもよかった気もしますが、それを敢えてせず、現行モデルとトーンを揃えたことも、甘口になりすぎずよかったのかもしれません。

同様に2位のインスターも、コンパクトカーに乗る楽しさを、デザインで最大限に引き出そうとしている姿勢がありありと伝わってきます。ID.Buzzと同じくEVであることも、その大胆な方向性に勢いを付けたと思います。

フラグシップモデルとはいえ、同時に主力車種のひとつである3008に、これほど攻めたデザインを与えたプジョーの大胆さを評価して3位に。クラウン エステートと最後まで迷いましたが、日本におけるインポートカー購入層の「特別なクルマが欲しい」という気持ちには、強く応えていると思います。

山本 シンヤ

ブランド モデル
プジョー 3008 10
フォルクスワーゲン ID.Buzz 4
BYD シーライオン 7 2

クーペSUVは世の中にたくさんありますが、「インパクトがあるけど嫌味じゃない」、「凝っているけど難しくない」、「シンプルだけど趣がある」と言ったデザインを評価しました。インテリアはエクステリア以上に攻めていますが、操作性/使い勝手もシッカリしている。賛否があるのは重々承知していますが、デザインはまず関心事になる事が大事だと考えます。

吉田 由美

ブランド モデル
フォルクスワーゲン ID.Buzz 10
ヒョンデ インスター 4
プジョー 3008 2

「一目で欲しくなる」そんなクルマを選びました。フォルクスワーゲン「ID.BUZZ」は、ご存知フォルクスワーゲン・タイプ2(クラシックなワーゲンバス)の象徴的な要素である、丸みを帯びたフォルムやツートーンカラー、大きなVWロゴなどを現代風に見事にアレンジし、懐かしさと未来感の絶妙なバランスで広い世代の注目を集めています。ヒョンデ「インスター」は、小型EVながら四角く親しみやすい顔つきや、コンパクトなサイズ感で都会にも地方にも似合う秀逸なデザイン。プジョー「3008」は、プジョらしいシャープなフェイスとモダンなLEDライト、さらにインテリアなど総合的にスタイリッシュで、どれも視覚的な魅力満点です。

渡辺 慎太郎

ブランド モデル
キャデラック リリック 10
フォルクスワーゲン ID.Buzz 4
ポルシェ 911 カレラ GTS 2

リリックは他の何とも似ていないオリジナリティ溢れるエクステリアデザインでありながら、キャデラックの往年の名車へのオマージュもうまくミックスしている。空力やパッケージといった機能面も両立させている。ID.Buzzはフレンドリーなフロントフェイスと電気自動車ならではのパッケージを備える。911は、初代から同じフォルムを踏襲しながらもモデルチェンジの度に時代に則した新しさを加味し続けている。

渡辺 陽一郎

ブランド モデル
ホンダ プレリュード 10
トヨタ クラウン(エステート) 4
BMW 2シリーズ グラン クーペ 2

 1位はプレリュード。久々のクーペで、しかも後輪駆動のフェアレディZやロードスターと異なり、エンジンを横向きに搭載する前輪駆動車だ。フロントピラーと前輪の間隔が近く、ボンネットの長いデザインには仕上げにくい。そこでプレリュードは、リヤゲートを大きく寝かせた独特の形状にすることで、流麗かつ清潔感の漂う外観に仕上げた。今のクーペは体育会系的な後輪駆動のスポーツカーが主力だが、プレリュードはサークル会系的でオシャレなスペシャルティカーだ。
 ちなみに今のホンダのブランドイメージは、N-BOXやフリードのヒットにより「小さな実用車のメーカー」になった。プレリュードを効果的にアピールして、ホンダのブランドイメージを趣味性の強い方向へ回帰させて欲しい。
 2位はクラウンエステート。SUVでありながら、往年のクラウンを思わせる堂々とした風格がある。まさにSUVを中心に構成される新しいクラウンシリーズの主役だ。3位はBMW2シリーズグランクーペ。全長が4600mm以下のセダンは貴重な存在で、しかも洗練された外観に仕上げた。クラウンがSUVに発展する一方で、BMWは新しいコンパクトセダンのあり方を模索しており、その象徴が2シリーズグランクーペになる。

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